競業避止義務 弁護士
元顧客との取引が、違法性を有する? ここまでお読みいただきましたとおり、元顧客との取引をしてもよいかは、まず競業避止義務の特約の有無、次に、不正競争防止法の「営業秘密」に該当するかどう課を検討することで判断できます。 これらにあたらない場合に前職の元顧客であっても取引をしてもよいのは、「職業選択の自由」によって、自由競争が保障されているからです。 しかし、憲法上に保障された「自由」とはいっても完全なる自由ではなく、他社の権利との関係で、一定程度制限されることがあります。顧客を奪う行為が、自由競争の枠を超えた不当なものである場合が、これにあたります。 自由競争の範囲を逸脱するような違法な顧客の奪取については、競業避止義務を負わず不正競争防止法違反でもないとしても、違法となり、損害賠償請求を受けてしまうことがあります。 前職で知り合った元顧客と取引をすることが、自由競争の範囲を逸脱するような手段、方法は、例えば次のようなものです。 前職の会社について、事実とは異なる誹謗中傷をして、元顧客との取引を奪取する行為 前職の会社の社会的な信用を、不当におとしめて、元顧客との取引を奪取する行為 前職の会社との継続的な契約の解約を強くはたらきかけて、元顧客との取引を奪取する行為 前職の会社の、重要な秘密を用いて、元顧客との取引を奪取する行為 前職の会社の取引価格を知り、不当に安い値段で提案して、元顧客との取引を奪取する行為 4.
競業避止義務 弁護士 労働者側
従業員の競業避止義務が気になっていませんか? 従業員には、転職の自由はあります。起業の自由もあります。 しかし、「競業避止義務」により、それが制限されることもあるのです。 そこで今回は 従業員の競業避止義務とは 退職従業員にも競業避止義務はあるのか 退職後の競業避止義務が認められる場合 等について、ご説明したいと思います。ご参考になれば幸いです。 弁護士相談実施中! 当サイトの記事をお読み頂いても問題が解決しない場合には弁護士にご相談頂いた方がよい可能性があります。 お気軽に ベリーベスト法律事務所 までお問い合わせください。 お電話での 0120-489-082 メールでのご相談 1、従業員の競業避止義務とは? 競業避止義務 弁護士 神戸. (1)従業員の競業避止義務の根拠 従業員の競業避止義務とは、今の会社と競合する会社に就職したり、自分でそのような会社を起業したりしない義務のことです。 その根拠としては次のように考えられています。 そもそも従業員と使用者(会社)は、労働契約という契約上の関係にあり、お互いに契約上の義務が課せられています。 労働契約上の従業員の義務は「労働義務」なのですが、労働契約は会社と従業員の間の人的・継続的な関係であることから、お互いに相手方の利益を不当に侵害しないようにする義務もあると考えられ、つまり、従業員には「会社への誠実義務」があるとされています。 その「会社への誠実義務」の内容として、①企業秘密を保持すべき義務(秘密保持義務)、および②前述の競業避止義務、の2つがあるのです。 なお、会社の側の義務としては、次のものがあるとされています。 従業員への「安全配慮義務」や「健康配慮義務」(労働契約法5条) 従業員の人格が損なわれないように職場環境を整える「職場環境配慮義務」 その他たとえば人事異動などで労働者の負担が少なくなるよう配慮する義務 関連記事 (2)退職後も競業避止義務があるの? 在職中に競業避止義務があるのは納得できる方も多いでしょう。 仮に在職中に競業した場合は、懲戒処分や損害賠償請求の対象になり得ますし、場合によっては、解雇理由となる可能性もあります。 では退職後はどうでしょうか?
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退職金の不支給 「競業避止義務」についての合意をすることを条件として、退職金を与えた場合には、義務違反があったときには、「退職金の不支給、返還請求」をすることができます。 ただし、退職金は、その支払条件が明確に定められている場合には、労働基準法における「賃金」にあたるため、会社の一方的な意思によって不支給・減額とすることには問題があります。 したがって、競業避止義務違反を理由として「退職金の不支給・返還請求」を行いたい場合には、その根拠規定を就業規則や退職金規程に定めておかなければなりません。 また、就業規則や退職金規程に根拠条文がある場合であっても、退職後の競業避止義務違反によって、退職金を不支給・減額とできるのは、「在職時の功労を抹消するような強度の背信性がある場合」に限られるとされています。 3. ■退職後の競業避止義務について-弁護士松浪 | 日比谷シティ法律事務所. 4. 転職先への責任追及は? 転職者が、前職の会社との間で「競業避止義務」を負っていることを知りながら雇用したケースでは、転職先に対する責任追及も検討すべきでしょう。 例えば、次のような場合には、前職の会社との間で「競業避止義務」を負っていることに気付くべきであったと考えられます。 前職で、経営陣、役員などの重要なポジションについていた。 前職で、技術開発など、重要なノウハウを知り得る立場にいた。 前職で、高額の給与や退職金などを受け取っていた。 逆にいうと、中途採用者を雇用する場合には、これらのケースに限らず、「競業避止義務を負っているのではないか?」という疑問を常に持ち、競業避止義務違反に加担しないよう注意しなければなりません。 4. まとめ 今回は、中小企業で特に相談の多い、退職後の従業員についての問題のうち、「競業避止義務違反」の法律知識について、弁護士が解説しました。 退職後の競業避止義務違反は、退職後も当然に義務を負わせることができるわけではありませんから、従業員の合意を取り付けるため、適切な方法をとらなければなりません。 適切に「競業避止義務」についての合意を取り付けたとしても、その違反に対する責任追及(損害賠償請求、差止請求)もまた、弁護士に相談しながら慎重に行うのがよいでしょう。 「人事労務」についてイチオシの解説はコチラ!
どうやって退職後の競業避止義務を負わせる? ここまでお読み頂ければ、退職後の従業員に対して競業避止義務を負わせ、裁判で争われたとしても「有効」であると判断してもらうためには、無制限な競業避止義務としてはならないことが、よくご理解いただけたのではないでしょうか。 「競業避止義務の範囲」を、できる限り御社の目的、必要性を達成できる「最低限の範囲」にとどめることによって、「競業避止義務」を認めてもらいやすくなります。 そこで、次は、実際に退職する従業員に対して「競業避止義務」を負わせるための方法について、弁護士が解説します。 2. 雇用契約書、誓約書による方法 退職後の従業員に対する「競業避止義務」については、退職後の話であることから、退職するタイミングになって初めて検討しようと考えている会社も少なくないようです。 しかし、「競業避止義務」を負わせたい従業員の場合、通常、円満に退職するケースの方が少ないと言わざるを得ません。退職時にはじめて誓約書を書かせようとしても、拒否される場合も多いです。 誓約書への署名押印を拒否する従業員に対して、強制的に「競業避止義務」を負わせることはできません。 まずは、採用時の「雇用契約書」、「誓約書」に、(在職中はもちろんのこと)退職後であっても「競業避止義務」を負い続けることと、「義務の範囲」を、明確に記載しておくべきです。 2. 競業避止義務 弁護士 相談 電話. 就業規則による方法 多くの従業員に対して統一的に適用される社内のルールは、雇用契約書にそれぞれ記載するのではなく、就業規則に記載しておくことが一般的です。 したがって、「競業避止義務」を全従業員に守らせたいときには、就業規則に「競業避止義務」についての条項を記載しておきましょう。 この際にも、「雇用契約書」における記載と同様、退職後であっても「競業避止義務」を負い続けることと、「義務の範囲」を、明確に記載しておくべきです。 参考 現在の就業規則に、「競業避止義務」についての規定が存在しない場合には、これを追記することが「就業規則の不利益変更」にあたります。 「就業規則」は、会社が一方的に、労働者にとって不利益に変更することは、その変更に「合理性」が無い限り、無効となることとされています。 したがって、就業規則に、新たに「競業避止義務」の規定を設けたいと考えるときは、合理的な内容になるよう注意しなければなりません。 2.