それでも 町 は 廻っ て いる 伏線
前述のように、歩鳥はときどき、周囲で起きる事件の謎解きをします。と言っても日常系の漫画なので、殺人や強盗といった大事件が起きるわけではありません、例えば、祖父の遺品を整理したら出てきた奇妙な絵が描かれた理由は? とか、毎日同じ時間に病院の中庭で15分ほど過ごす入院患者が何をしていうのか? とか。 1巻4話と5話のあいだにある「恐怖の現代病 探偵脳」という解説ページに「第二期症状(謎の追究)日常生活の中からちょっとした不思議を見つけては頭をひねり始める。」とあり、歩鳥はこの状態にあるものと思われます。普段はドジばかりなのですが、推理を始めると妙に鋭いのです。 米澤穂信さんの推理小説 〈古典部〉シリーズ では主人公がヒロインに振り回されながら日常のミステリーに巻き込まれていきますが、"それ町"の歩鳥は周囲を振り回しながら自らミステリーに足を踏み入れていくタイプです。はた迷惑、とも言います。見ているぶんには面白くていいのですが。 なお、 『探偵綺譚 石黒正数短編集』 (徳間書店)には、"それ町"のプロトタイプ作品が収録されています。失踪した同級生を探す嵐山歩鳥が、手掛かりを探しに紺先輩の家を訪ねたところ……という、冒頭はシリアスな話っぽいのですが、やっぱり"それ町"的な世界観のコメディです。いまより少し頭身が高いかな? それ町(それでも町は廻っている)の時系列は?公式ガイドブック「廻覧板」をネタバレ | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]. という印象です。 『探偵綺譚 石黒正数短編集』 1~2巻 石黒正数 / 徳間書店 さりげなく伏線が張ってあるから油断できない たまに驚かされるのが、実はさりげなく伏線が張ってあること。例えば1巻11話「猫少年」で、歩鳥は初めて紺先輩と会話をします。紺先輩が「前にキックボードでオマワリ倒してんの見た事ある」と言うので、そのシーンがある3話「セクハラ裁判」を見返してみると、一瞬だけ登場している制服姿のモブキャラがどう見ても紺先輩。思わず「マジか」と声が出ました。 なんとなく描いたモブキャラを再利用した、と思いきや、3話の初登場時から金髪ショートヘアの特徴的な外見で、しかも部活帰りっぽいスポーツバックを持っているのです。 『探偵綺譚 石黒正数短編集』 に登場する紺先輩とも同じ外見なので、後々登場させる予定をしていて、3話でチラ見せしておいたと考える方が自然かもしれません。 11話「猫少年」より 3話「セクハラ裁判」より なお、8巻のあとがきによると、"それ町"は雑誌連載の季節に合わせて描いているそうで、実は時系列がバラバラだったりします。6巻44話「ざっくばらん」は歩鳥の髪型がベリーショートになってしまうエピソードなのですが、次の話からしばらくは元の髪型に戻っています。話を時系列に並べ替える際のヒントになりそうです。意外な伏線が隠れているかも?
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溝口ぇ… すごすぎる。 思わず膝をうつってものです。 そうなのです!『それでも町は廻っている』は 読み返せば読み返すだけ新たな発見があり 、何度も何度も噛みしめるように読める傑作なのである。ただの日常漫画なんてとんでもない!全てのエピソードが他のエピソードに繋がっている。 それを踏まえて、16巻を読んでは戻って読み返す。いやー、素晴らしい。噛めば噛むほど、読めば読むほど、深みがある味わいです。集大成であり『それ町』読みのはじまりでもあるのが16巻なのである。それを踏まえて読んで堪能ですよ! 128話「嵐と共に去りぬ」 嵐と共に去りぬ 129話「嵐と共に去りぬ」は、9月8日に関東へ超大型台風が上陸し大災害になるのを食い止めるため歩鳥は選択を迫られます。オニギリのような宇宙人から台風を消すスイッチを押すか押さないかと。 このスイッチを押せば死者6000人超えの台風を消すことが出来る。かわりに、 歩鳥の存在も消えます。 消えるというか、歩鳥が生まれなかった事になり、歩鳥が消えたことは誰も認識できなくなります。それを迷わず押した歩鳥。 で、この話の 直接的な続きは14巻111話「夢幻小説」ですかね 。 111話「夢幻小説」 この時の歩鳥と着てる服装も一緒だし。歩鳥が生まれなかったパラレルワールドに迷い込み、静ねーちゃんが「門石梅和」として小説家になることによって、歩鳥が生まれた世界へ見事に帰還(? )しました。それを踏まえた日常最終回。味わい深い。時系列シャッフルを上手く使ったエピソードでした。 エピローグ いや~大したもんだ 『それ町』16巻のキモは当然エピローグでしょう。ここまでの日常があったからこそ、こう胸にジンとくる。まさに集大成です!本編が歩鳥の高校生活3年間を時系列シャッフルで描いていたのに対して、エピローグはそれから数年後。 まず、驚いたのは「いや~大したもんだ」とシーサイド横にいるじいさんでしょう。歩鳥が死んで生き返って入院していた時のじいさんやん。下半身不随になってヒネクレた性格になったものの、歩鳥と事件解決(? )を過ごして 少しデレていた のが印象的でした。 オレが退院したら、あんたの店とやらに行ってもいいかな…? 歩鳥も「もちろん、ぜひ来てよ」と言っていました。あのじいさんがエピローグで本当に退院してシーサイドに来てた。胸が熱くなるな。 本当にね。『それ町』は何気ないことが後で大きな感動に繋がったり新たな驚きになるから困る。ま、エピローグ一番の見せ場で私の涙腺をクリティカルヒットさせたのは、書いた小説を賞を取り門石梅和としての静ねーちゃんとの邂逅です!
シーサイドには、 真田 君も来てますね。後の第1話「至福の店ビフォー」の前振りがされてます。 「へぇ~、面白くなって来たじゃ~ん」 「あ、亀井堂さんのマネだろ」 って歩鳥と真田くんの小ネタ的やり取り。 そして、歩鳥の回想&推理。 4月8日にシーサイドを訪ねた時 ※巻頭カラーの話ね、 婆ちゃんから・・・ 「これからはメイド喫茶ってのが儲かるらしいんだわ。過去10年余りタダ食いしてきたカレー代チャラにしてやるから、あんたもここで働きな」 って強制的にバイトさせられることになった歩鳥。 その日の夜に開催された町内のお花見で、メイド姿をみんなにお披露目させられてるんだね。 ってことで・・・遺失物は、河川敷にある! ・・・で、実際にカバンが見つかりました。 「けっこうやるな、あの子」って松田巡査は感心してますね。 さて、肝心の遺失物の中身は・・・。 後に登場する 宇宙人が持っていた「記憶を消すハンマー」 ですよこれ!