【座談会】町中華探検隊が選ぶ、平成が終わっても絶対に残したい「伝説レベルの町中華」とは - メシ通 | ホットペッパーグルメ
豪快な火力で一気に仕上げられるレバニラは迫力充分のルックス。ジャッと油通しされたレバーは臭みなどなく、これぞレバーな濃厚な旨さ。シャキシャキのもやし、ピカピカのニラがほどよいとろみで一体化。ここはやはり一気にがばっと頬張る。やや濃いめのコクのある味が、強烈に白飯、ビールを呼ぶこと必至。 写真:レバニラ炒め690円 レバーは味濃く、嚙みしめるほどに旨し!
マグロ :麺類もおいしいけど、チャーシューがうまい! これはなかなかですね。 ▲チャーシュー(800円) 半澤 :このチャーシューを使った、炙り丼もかなりおいしいです。とはいえ、このお店はなんといっても麺に注目ですね。もともと日本そば屋さんで、今もそばを提供しています。そばも中華そばも、すべて自家製というところがスゴいですよね。 ひざげり :中華そばは細い麺が特徴的、本当おいしいですね。 半澤 :僕のオススメは五目中華そばですね。チャーシューのほかに豚肉も入って、超豪華。具だくさんだけど、シンプルな昔ながらの味で、これを嫌いな人はいないんじゃないですか。 ▲五目中華そば(1, 300円) マグロ :もともとそば屋さんだけあって、そば屋メニューも豊富なんだよね。 ▲カツ丼(950円) 半澤 :そうですね、日本そばは粗挽き十割も選べるので、ガチのそば好きでも満足できます。ご飯メニューも多いんですよね。カツ丼などそば屋メニューもどれもハイクオリティーで驚きます。 マグロ :昔青梅街道沿いにあった、「春木家」とは関係あるんですか? 半澤 :親戚だそうです。ちなみに荻窪駅前のラーメン店「春木屋」もルーツはこちら。春木家本店の2代目(先代)の弟さんが、戦後に駅前で作ったお店なんですよ。 マグロ :このお店もホスピタリティーが素晴らしいですよね。お店も明るいですし。やはり町中華の極意はホスピタリティー、お客さんへの優しさですね。 春木家本店 住所: 東京 都杉並区天沼2-5-24 電話番号:03-3391-4220 営業時間:11:30~15:00、17:00~21:00 (土曜日・日曜日・祝日 11:00~21:00) 定休日:木曜日 半澤 :次に挙げるとしたら「 鶴の恩がえし@神田 」ですかね 。神田のサラリーマンに愛されていて、昼間とか活気がスゴいですね。汗を流して熱々の中華をかっ食らうサラリーマンたちがズラリ並ぶ光景は、なかなか見ものです! マグロ :ほかにもサラリーマン中華(サラリーマンがランチ時によく使うような町中華店)は多いけど、どうしてこのお店がオススメなんですか? 半澤 :お店に貼られているメニューがカラフルだったり、看板に鶴が描かれていたりとインパクトあるお店なんですけど、なぜか街になじんでいるんですよね。一度連れて行った友達が、リピートしたいからもう一度店名教えてくれといわれたことがあって、うれしかったのを覚えています。 マグロ :僕たちも街中華探検隊を始めてから店名を気にするようになったけど、中華料理店の店名って普通あんまり覚えないよね。 ひざげり :正しい呼び名をわからないお店も意外と多かったりしますよね。 半澤 :あとなにより「鶴の恩返し」って名前がいいですね。それに平成元年オープンなんです。昭和レトロとは違う、バブルの時代を感じる懐かしさはほかでは味わえませんね。来年元号が変わることを思うと、やはりこのお店をエントリーさせたいです。 「生駒軒」の名前は次世代に伝えていきたい マグロ :ほかに半澤さんオススメのレジェンド店はありますか?
半澤 :今日お集まりいただいたのはほかでもありません。次世代に引き継いでいきたい、つまり平成が終わっても残しておきたい、町中華について皆で語り合いたいんです! ひざげり :自分は気に入ったお店ばかり行くタイプなので、お役に立てるかどうかわかりませんが……。 半澤 :いやいや、なにをおっしゃいますか。ひざげりさんは、ものすごい数の町中華のお店に足を運んでいらっしゃるじゃないですか。今日は町中華探検隊の我々が選ぶ、「町中華レジェンド店」を語り合いましょう。 町中華で重要視すべきは「ホスピタリティー」 半澤 :では、お話進めていきましょう。まずひざげりさんにお話をうかがいましょうか。ひざげりさんが レジェンド店に推薦したいお店 を教えていただけますか? ひざげり :私は高円寺にある「 七面鳥 」が大好きで、しょっちゅう行ってます。ここはオムライスが有名ですが、カツカレーがたまりませんね。 ▲カツカレー(880円) マグロ :最近、「七面鳥」のカツカレーの評判はよく耳にしますね! ひざげり :量が多くて後に響いちゃうんですが、やめられないですね。 ▲お通し(昼はお酒の注文時に、夜は全員にサービス) 半澤 :僕も「七面鳥」はうかがったことがありますが、あのお店、酒飲み心をくすぐりますよね。 ひざげり :そうなんです! 私も飲むのが中心なんでうれしいですね。お通しもおいしいんですよ。あと単品で野菜炒めなんかも頼みますね。 ▲野菜炒め(530円) マグロ :常連さんはビールを自分で冷蔵庫から取る「セルフ」なのもいいよね。ひざげりさんはもう自分でビール出しちゃうクチですか? ひざげり :いや、実はあのお店、初めての人でも「そこの冷蔵庫から自分で出してください」っていわれますよ。全員セルフなんです。 半澤 :え、そうなんですか? 僕も常連さんだけに許された流儀かと思ってました。 ひざげり: セルフの方が気楽でいいですよ。お店が忙しいときでも好きに飲めますから。ここに行ったら絶対、お酒を楽しんでほしいですね! お店情報 七面鳥 住所: 東京 都杉並区高円寺南4-4-15 電話番号:03-3311-5027 営業時間:11:30~15:00、17:30~21:00 定休日:土曜日(不定休・日曜日) 大盛りが有名な町中華のレジェンド 半澤 :ひざげりさん、ほかに「レジェンド」に推したいお店はありますか?
半澤 :そうですね、先ほどマグロさんの「大勝軒」の話を聞いていて思ったのですが、やはり「のれん分け」のお店は押さえておきたいかなあと。のれん分けは今でいうチェーン店ですが、お店で修行した若者が独立して、一時期、町中華のお店がどんどん増えていったんです。 マグロ :たしかに、 東京 にはのれん分けの町中華も多いですし、ある意味でレジェンドですよね。 半澤 :のれん分け店はいくつかありますが、やはり「 生駒軒 」ですかね。どこのお店という訳ではなく、この名前は次世代に伝えていきたい! ひざげり :「生駒軒」ですか、私は行ったことがないですね。どの辺にあるんでしょう? 半澤 : 東京 の東側に多いですね。 最盛期は100軒くらいあった そうですが、今は30店舗くらいと聞いています。僕は水天宮と人形町に行きました。 ひざげり :オフィス街の方に多いんですかね。 半澤 :西の方にもいくつかお店があって、東中野店もよかったなあ。お母さんがやっていらっしゃって、常連客に愛されている感じでした。 マグロ :僕のイチオシ生駒軒は 雷門の生駒軒 ! 半澤 :どういうところがオススメですか? マグロ :どっちかが倒れてしまったら終わり、っていう高齢のご夫婦がやっていらっしゃるんですよね。おふたりは「生駒軒のれん会」のなかでお見合いをして結婚したそうなんです。「生駒軒」が生んだご夫婦というわけですね。 ひざげり :昭和ならではですね! 半澤 :ちょっと今じゃ考えられないなあ! あと「生駒軒」が面白いのは食器のロゴとかそろえたり統一感を出してはいるけど、ガッチリとは統一されてないんですよね。 マグロ :メニューとかもお店によって全然違いますもんね。 ひざげり :普段の生活で見かけたことはなかったんですが、1回行ってみたいですね。 半澤 :歴史を感じるのでどのお店もオススメです。なんとなく3店舗、思いついた順にあげてみましたが、僕は歴史やストーリーがあるお店にひかれるんですね。とはいえ、どのお店にもたいてい歴史やドラマがあるので、やはり町中華は面白いなあ! なぜ今、僕たちは町中華に足を運んでいるのか? 半澤 :最後に。もうすぐ平成も終わるっていうのに、どうして我々は昭和の雰囲気がする町中華にみせられているんでしょうかね? マグロ : 東京 オリンピックを目前に控えた今だからこそ注目ですよね。2020年の 東京 オリンピックまではなんとか頑張りたい、ってお店も多いから、今まさに行っておかないとなくなっちゃいますよ。 ひざげり :皆、いい時代にやめようって思っているんですよね。最近は町中華だけでなく古いお店がどんどんなくなってますし。 マグロ :そう、町中華に限らずね。飲食業界はいま大変だから、子どもはいるんだけど、お店を継がせる気はないというお店も多いようです。 ひざげり :チェーン店は残るけど個人店は減ってしまうでしょうね。 半澤 :そう考えると、今やっている町中華に足を運ぶというのは大事な作業ですね。とはいえ、実際、町中華には名店が多いので、普通にグルメの人なら行っておくべきでしょう。今後も「町中華」をいろんなところで話題にしてもらえたらうれしいですね!