九 マイル は 遠 すぎるには
(誰に聞いてんだ)
九マイルは遠すぎる 氷菓
小鷹信光の主張はそこにありました。それは、正しかったのか? ミステリが推論による謎解きミステリからクライムストーリイへと進む、そういう不可逆的な展開が、あるべきミステリの進歩であったのか? 正しくないとしたら、どこが正しくなく、また、正しくないなりに耳を傾けるべきところはなかったのでしょうか?
てか、ど真ん中の安楽椅子探偵じゃん! ニッキイ・ウェルトの推論にとても説得力があって、そうですねそうですねと頷いているうちに、当然の帰結として真相が提示され、あまりのに鮮やかさにポカーンとなる。 思い込んでた内容とまるで違ったけど、それゆえに面白さも倍増。今回久しぶりに再読しましたが、結末がわかっていてもやっぱり面白い。というか、再読してようやく飲み込んだエピソードもちらほら(笑) あ、ちなみに9マイルは14. 4km(1マイル=1600m)ですって。仮に日本が舞台で、「14 kmもの道を歩くのは容易じゃない、ましてや雨の中となるとなおさらだ」と聞いたら、皆さんはどんな推論を立てるでしょう?