自己免疫性肝炎(指定難病95) – 難病情報センター
1. どのような病気ですか? 自己免疫性肝炎(じこめんえきせいかんえん)は、多くの場合には慢性に経過する肝炎で、肝細胞が障害されます。血液検査では肝臓の細胞が破壊される程度を表すASTやALTが上昇します。自己免疫性肝炎が発病するのには免疫の異常が関係していると考えられています。中年以降の女性に好発することが特徴です。原因がはっきりしている肝炎ウイルス、アルコール、薬物による肝障害、および他の自己免疫疾患による肝障害を除外して診断します。また、治療では副腎皮質ステロイドが有効です。英語での病名はAutoimmune hepatitisであり、頭文字を略してAIH(エー・アイ・エッチ)と呼ばれます。 2. 自己免疫性肝炎 完治 ブログ. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか 私たち研究班が2004年に行った調査では、全国に9, 000人程度(人口10万人当たり9人)の患者さんがいると推定されましたが、2018年に再度行った調査では全国の患者数は推定30, 000人(人口10万人当たり24人)であり、この14年間で患者数が約3倍に増加していました。 3. この病気はどのような人に多いのですか 自己免疫性肝炎と診断される患者さんの男女比は1:4で、女性に多い病気です。中年女性に多く50歳から60歳代が発症の中心となっていますが、若い女性や小児での発症も珍しくはありません。近年の傾向として男性の患者さんが以前よりも増えており、また高齢化が示されています。 4. この病気の原因はわかっているのですか 原因は不明です。血液検査で 自己抗体 ( 抗核抗体 や抗平滑筋抗体)が陽性で 免疫グロブリン 、ことにIgGの血中濃度が高く、副腎皮質ステロイドによる治療によく反応することなどから、自己免疫が関与していると考えられています。肝臓の組織検査でもリンパ球が多数肝内に存在し、肝細胞が障害されている像が認められます。ウイルス感染や薬剤服用、妊娠・出産後に発症する場合もあり、これらが発症の引き金となる可能性が報告されています。 5. この病気は遺伝するのですか 遺伝することはありませんが、日本人では60%の症例でHLA-DR4陽性、欧米ではHLA-DR3とHLA-DR4 陽性例が多いことから、その発症に何らかの遺伝的因子が関与していると思われます。しかし、PBCとは異なり、AIHの発症に関与することが明確な遺伝子は見つかっていません。親子や兄弟など家族内で発症する例もありますがごくまれです。 6.
自己免疫性肝炎(指定難病95) – 難病情報センター
かんこうへん 肝硬変 肝臓の細胞の破壊と再生が繰り返されたことで、肝臓が線維化(肝細胞に炎症が繰り返される影響で組織が硬くなって機能を失うこと)した状態 12人の医師がチェック 171回の改訂 最終更新: 2021. 自己免疫性肝炎(指定難病95) – 難病情報センター. 07. 08 肝硬変のメカニズムについて教えて下さい。 肝硬変とは、様々な肝臓病の最終段階として訪れる、肝臓が機能の大半を失った状態のことです。 肝臓は、ウイルス感染やアルコール、その他の原因によってダメージを受けてしまうことがあります。軽度のものであれば肝臓の自己再生力によって回復することができますが、肝細胞の破壊と再生が長年に渡り繰り返されると、肝臓が適切に再生し切れずに機能を失っていきます。こうして本来の肝細胞の数が減って、肝臓が硬くなり、表面がいびつな形になった状態が肝硬変です。 肝硬変は一時的な状態ではなく、長い年月をかけて肝臓の細胞が線維芽細胞と呼ばれる機能しない細胞に置き換わった結果ですので、薬で完治することは、いまの医学では困難とされています(肝機能の一部が改善することはあります)。 肝硬変は、どんな症状で発症するのですか? 初期の肝硬変では、特に症状がない場合が多いです。肝硬変が進行し、残された少ない肝細胞だけでは肝臓の働き(体内の様々な物質を加工・処理する)をこなしきれなくなると、以下のような症状が出現します。 食欲不振 だるさ、疲れやすさ、息切れ 体重の変動(腹水による体重増加や、全体的な痩せなど) 全身のむくみ 手の震え 黄疸 腹水が溜まって下腹部が大きくなる 皮膚表面の毛細血管が目立つようになる 手のひらが赤くなる 男性でも乳房が大きくなる 睾丸が小さくなる 意識がもうろうとする 肝硬変が進行した場合の合併症については、次項で解説します。 肝硬変は、どのように診断するのですか?
この病気に関する資料・リンク 厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班では研究班のホームページを作成しています( )。ここでは病気・医学用語に関する解説に加え、患者さん・一般の方から質問を受け付けるメールアドレスを記載しています。お気軽にご利用ください。 難治性の肝疾患に関する調査研究班から 患者さん・ご家族のための自己免疫性肝炎(AIH)ガイドブック(2013) (pdf 2. 26MB) 自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2016) (pdf 1. 00MB)