脳 血管 性 認知 症 症状
27 脳血管性認知症の治療法 脳血管性認知症は原因がはっきりとしていますから、まず脳血管障害の治療に専念することが第一。 再び脳梗塞や脳内出血などを発症しないよう、医師の指示に従いながら治療を続けなくてはなりません。 また脳の病気にはリハビリが有効。家族や周囲の人が歩行や軽い運動などに根気よく付き合い、 昔話などをしながら記憶を回想させることで、患者の脳の活性化を図らせることが大切です。
脳血管性認知症 症状
『本当に大切なことが1冊でわかる脳神経』より転載。 今回は血管性認知症(VaD)の検査・治療・看護について解説します。 木戸佐知恵 東海大学医学部付属八王子病院看護部副主任 認知症看護認定看護師 小川和之 東海大学医学部付属八王子病院看護部主任 血管性認知症(VaD)とは? 血管性認知症(VaD;vascular dementia)は、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などの 脳血管障害 によって引き起こされます( 図1 )。 図1 血管性認知症の病態 脳血管障害が起こる原因は 動脈硬化 です。動脈硬化の危険因子は、高血圧、糖尿病、心疾患、脂質異常症、喫煙などであるため、血管性認知症は 生活習慣 によって引き起こされるといえます。 女性よりも男性のほうが多く発症しているといわれています。 目次 に戻る 患者さんはどんな状態? 障害される脳の部位によって症状が多岐にわたることが特徴です。さまざまな 失語症状 を呈したり、頭頂葉障害では 空間失認 をはじめとする症状が出現したり、前頭葉の障害では抑うつや意欲低下を顕著に認めます( 図2 )。 memo:空間失認 空間における物の位置や、物と物との位置関係がわからなくなる。視空間失認ともいう。 図2 血管性認知症の症状 memo:感情失禁 感情のコントロールがしにくくなるため、ささいなことで泣いたり笑ったりしてしまう状態。 脳血流の循環不全を伴うことから、症状は突然悪化したり、日内や日間で変動したりすることが特徴的です。 どんな検査をして診断する? 脳血管性認知症 症状 妄想. 頭部画像検査 (CT、MRI、脳血流SPECTなど)で脳梗塞や脳出血などを評価します。脳血管障害が認知症の原因と判断される場合、血管性認知症と診断されます。 脳につながる頸動脈エコー(超音波検査)を行い、動脈硬化を評価します。 どんな治療を行う? 認知症の背景となる脳血管障害を再発させないことが一番の予防策といえます。 脳血管障害の原因は、高血圧や脂質異常症、糖尿病、運動不足や過食、ストレスなどであることから、生活習慣の是正が重要となります。生活習慣を見直すために早期より介入し、適切な指導を行う必要があります( 図3 )。 図3 血管性認知症の原因 薬物療法 脳血管障害の危険因子である高血圧、糖尿病、心疾患などを内服によって適切にコントロールします。 脳梗塞再発予防のために、抗血小板薬などを使用することもあります。 意欲・自発性の低下、興奮といった症状に対しては脳循環代謝改善薬が有効な場合もあります。 血管性認知症に多い抑うつに対して、抗うつ薬が使用されることもあります。 看護師は何に注意する?
今回は 「血管性認知症(脳血管性認知症)」 のお話をします。 認知症といえば「アルツハイマー型」を思い浮かべるのではないでしょうか。しかしこればかりではありません。認知症の原因疾患は100以上あるといわれています。 血管性認知症は、 アルツハイマー型に次いで二番目に多い 病いです。 50〜70歳台で脳出血や脳梗塞を発症する患者さんがいらっしゃいます。発症当時は、片麻痺を中心とする運動障害が主です。しかし、年を取るにしたがって認知症の症状が出現することがあります。これが血管性疾患を原因とする「血管性認知症」なのです。 認知症の総合アセスメント(東京都健康長寿医療センター)より では、血管性認知症と診断されたらどうすればいいのでしょうか。 実は血管性認知症は、アルツハイマー型認知症とは異なる特徴があります。今回の記事では、毎月1, 000名の認知症患者さんを診察している認知症専門医の長谷川が血管性認知症の特徴、予後、治療効果についてご紹介します。 1.血管性認知症とは? 脳梗塞や脳出血など、 脳の血管障害によって起こる認知症 のことです。 脳梗塞にもいろいろな種類があり、片麻痺になる方もいますし、早めの対処が奏功して後遺症が全くない方もいます。多発性脳梗塞といって小さな梗塞巣が何度も再発する疾患もあります。 これらの脳梗塞が認知症の原因となりうるのです。 脳の血管が詰まっている梗塞巣(こうそくそう)が増えたり大きくなったりする度に、徐々に脳の機能が低下することで認知症や運動障害が引き起こされる のです。 脳に梗塞巣ができ、血流が滞ることで、機能が失われることが脳梗塞です 2.アルツハイマー型認知症とは何が違うのか?